認知症の方が、一人で外出してしまうと、事故や行方不明のリスクが高まり、家族は大きな不安を抱えます。徘徊を防ぐためには、玄関の鍵を、認知症の方が簡単に開けられないようなものに交換することが有効です。玄関の鍵には、様々な種類があります。一般的なのは、「刻みキー（ギザギザキー）」と呼ばれる鍵ですが、これはピッキングに弱く、防犯性が低いというデメリットがあります。認知症の方の徘徊防止を目的とする場合は、より防犯性の高い鍵を選ぶことが大切です。おすすめは、「ディンプルキー」と呼ばれる鍵です。ディンプルキーは、表面に複数の窪みがあるのが特徴で、ピッキングに強く、複製も困難です。また、「カードキー」や「暗証番号式の鍵」も、認知症の方が解錠しにくいため、徘徊防止に有効です。これらの鍵は、鍵穴がないため、ピッキングされる心配がありません。さらに、「スマートロック」と呼ばれる、スマートフォンやICカードなどで解錠できる鍵も、近年注目されています。スマートロックは、鍵を持ち歩く必要がないため、鍵の紛失リスクを減らすことができます。また、遠隔操作で鍵をかけたり、解錠履歴を確認したりすることも可能です。鍵を選ぶ際には、防犯性だけでなく、使いやすさも考慮することが大切です。認知症の方が、自分で鍵を開け閉めできるような、シンプルな操作の鍵を選びましょう。また、鍵の交換は、専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者であれば、自宅のドアに合った鍵を選んでくれ、確実に取り付けてくれます。鍵の交換だけでなく、玄関周りの環境整備も重要です。例えば、玄関に鍵のかかる柵を設置したり、センサーライトを設置したりすることも、徘徊防止に有効です。また、日頃から、認知症の方への声かけや見守りを心がけることも大切です。徘徊は、本人の不安や孤独感から起こることもあります。家族や周囲の人が、温かく接することで、徘徊のリスクを減らすことができるかもしれません。