徘徊を未然に防ぐための対策として、玄関アラームシステムが有効です。玄関アラームシステムとは、玄関ドアや窓が開閉された際に、アラーム音や音声メッセージで知らせるシステムのことです。これにより、家族は認知症の方が外出しようとしていることに、いち早く気づくことができます。玄関アラームシステムには、様々な種類があります。最もシンプルなのは、ドアや窓にマグネット式のセンサーを取り付け、開閉時にアラームが鳴るタイプです。このタイプは、比較的安価で設置も簡単ですが、誤作動が多いというデメリットもあります。より高性能なシステムとしては、人感センサーや赤外線センサーを利用したものがあります。これらのセンサーは、人の動きを感知してアラームを鳴らすため、誤作動が少なく、より確実に徘徊を検知することができます。また、スマートフォンと連携できるタイプの玄関アラームシステムもあります。このタイプは、ドアや窓の開閉状況をスマートフォンで確認できるだけでなく、外出先からでもアラームをON/OFFしたり、音声メッセージを録音したりすることができます。玄関アラームシステムを選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。まず、設置場所です。玄関ドアだけでなく、勝手口や窓など、認知症の方が出入りする可能性のある場所に設置しましょう。次に、アラーム音量です。家族が確実に気づけるように、十分な音量のアラームを選びましょう。また、誤作動の少ないセンサーを選ぶことも重要です。人感センサーや赤外線センサーなど、より高性能なセンサーを選ぶことで、誤作動のリスクを減らすことができます。玄関アラームシステムは、徘徊対策として非常に有効ですが、あくまでも補助的な手段です。日頃からの見守りや、声かけ、環境整備なども合わせて行うことが大切です。また、アラームシステムの設置については、本人の尊厳に配慮し、事前にしっかりと説明し、同意を得ることが重要です。